私は現在アメリカの州立大学で数学教授をして12年目になります。この京大教授の言うようにアメリカの名門大学の入学者の平均学力レベルは東大京大の入学者の平均レベルに遠く及ばないのは事実です。東大京大の入学者の平均レベルはダントツで世界一です。私がバークレイで学部生時代に知っていたMITで学士号取得後バークレイの造園学修士課程にいた女性は人口の百分率の計算ができませんでした。 私の同僚のアメリカ人の数学教授はMITの数学科卒業ですが、自分の通った公立高校では三角関数を教える能力のある教師がいなかったので、独学で三角関数を学び、MITで初めて微積分を学んだのです。

アメリカの高校でベクトル解析、偏微分、重積分、2階線形微分方程式を教えている学校はエリート私立校のPhillips Exeter Academyや、州立の全寮制エリート高校のOklahoma School of Science and Math (教員の半数が博士号を持つ), Illinois School of Science and Mathなど、例外的な学校だけです。 普通の公立高校の数学教師免許取得にはPRAXIS IIという試験に合格しなければなりませんが、三角関数と初歩的な微積分(日本の高校の数学II-Bレベル)と初歩的な確率統計の問題だけで、日本の普通の高校生なら楽々こなせる水準です。日本の教員採用試験は1年に1回だけですが、PRAXIS IIは月に2回もあり、何回でも受ける事ができます。 5回目でPRAXIS II合格する者は珍しくありません。

殆どのアメリカの州立大学の数学教師免許取得に必要な科目で最もレベルの高い科目がAdvanced Calculus (最近では内容はそのままで、名前だけReal Analysisと改名する大学が増加)で、日本の大学では大学1年次で微積分学と呼ばれるものです。 日本の大学の数学科では卒業するには90単位の数学の科目を取らねばなりませんが、アメリカの大学の数学科では、日本の高校で理系では必修となっている微積分、行列代数、確率統計、整数論、離散数学などを含めて25単位分に相当するものを入れて40単位前後なので、学士号取得段階でアメリカの大学の数学科の学生は日本の数学科の学生に比べ75単位分不足しています。アメリカの大学の数学科修士号には30単位必要(通常、教務助手をしながらの場合2年間必要)なので、アメリカの大学の数学科卒業生が日本の数学科の卒業生に追いつくにはアメリカの大学の大学院で5年かかります。普通の州立大学の場合、大学入学時点で日本より2年遅れ、卒業時点で差は5年に広がります。

高校生が出場する数学オリンピックについても、アメリカ、中国などは国家事業としてやっており、過去問題の分析専門コーチのチームが訓練合宿を開いて数学オリンピックの準備をしますが、日本の場合は数学好きの高校生が個人で参加する程度で、コーチはまとめ役程度な上、数学オリンピックの問題の採点も、参加各国のコーチが問題の原文を自国語に訳し自国チームの選手に渡し、コーチ自ら採点する紳士協定ルールなので、イカサマをしようと思えばいくらでもできます。コーチが正直に採点しているのは恐らく日本だけでしょう。 スポーツでドーピングなどのイカサマが当然のように行われているアメリカや中国が数学オリンピックでもイカサマしているのは間違いないでしょう。

日本で東大や京大の数学科に合格する人たちは小学5年くらいで微積分を学び、高校2年では既にアメリカの大学では大学院で教える内容を習得しているので、入試の数学問題など余裕綽々で楽勝です。 柏原卓司という代数トポロジー専門の数学者は京大2年の前期を終えてすぐ、学士号も習得せず、アメリカの超一流大学の数学科博士課程に応募し、京大3年の前期を終えてすぐ、その大学に入学し、博士号を習得しています。

「一般的な理系の学生が大学1年時に学ぶ内容はアメリカも日本も同じ」というのは事実と正反対の大嘘です。アメリカの多くの大学の理系の学生は、入学して新学期が始まる1週間ほど前にPre-Calculus(代数と三角関数)の振り分け試験を受け、合格者はCalculus I 登録へ, 不合格者は振り分け試験の点数の高い順番でPre-Calculus(日本の高校で言う数学I以下)、 College Algebra (日本の中3数学), Intermediate Algebra(日本の中2数学), Pre-Algebra(日本の小学校の算数)登録となります。アメリカの大学は怠慢な学生が多く、全米平均でCalculus授業の出席率は50%程度です。

 

アメリカの大学で1年時に学ぶ物理、化学、生物、地学は日本の高校で習う無いようです。私は日本の公立高校卒業後ミシガン工科大で1年時にCalculus I, II, III, IV, Introduction to Differential Equations を飛ばす事を許可されてVector Analysis, Ordinary Differential Equations, Fourier Series, Complex Analysis, Abstract Linear Algebra, Topics in Ordinary Differential Equationsを取り、カリフォルニア大学バークレイに転学しましたが、1、2年時で取るGeneral Physics I, II, III, IVを飛ばしていきなりQuantum MechanicsElectromagnetic Theory, Analytical Dynamicsを取りました。バークレイで4年のときに応用数学の修士課程のコースを4つ取りましたが、そのうちの2つに京大の機械工学科卒でバークレイ機械工学科修士課程に在籍していた人がいました。彼は数学科卒ではないにも拘らず、バークレイ数学科4年の私よりも遥かにレベルの高い数学技術を知っており、完全に圧倒され、畏敬の念をいだきました。彼以外にもバークレイ工学部大学院には東大や京大卒の日本人が多くいましたが、全員凄まじくレベルが高く、教授たちは全員驚愕していました。

英国の経済雑誌が世界各国の技術革新力を比較した報告書が http://graphics.eiu.com/PDF/Cisco_Innovation_Complete.pdf

で見れます。その13ページにそのランキングがあります。上位4カ国が

 

 

1. 日本 1274.533

2. スイス 505.839

3. フィンランド 363.298

4. アメリカ 359.840

で 日本はアメリカの3.542倍です。日のみが余りに発明数が多すぎ、企業の特許部門の弁理士が実際に特許申請処理できる発明件数は全体の4分の1以下らしいので、実際には日本の技術革新力はアメリカの14倍以上ということです。